スイーツ&デストロイ

旅行記と備忘録

インドネシア ギリ・トラワンガン島

ギリ諸島(ギリ・メノ、ギリ・アイル、ギリ・トラワンガン)でいちばんおおきな島、ギリ・トラワンガン島

海岸近くの野原でじゃれあう(あるいは牽制しあう?)2匹の野良猫

港周辺の雑貨店やインターネットカフェ

廃屋(?)に置かれたテーブルサッカー

住人の足である馬車(島に車はない)


海岸沿いに並べられたテーブルと椅子は近隣のリゾートホテルのもの

宿泊したギリTリゾートホテルのプール

島を縁取る白い砂浜と青い珊瑚礁

青い海に浮かぶボート

海岸線でみたピンクと紫の夕焼け

船のチケットを買ったのはその日の午前だった。朝食のナシゴレンをたべたあと、ホテルから徒歩1分の発券所へ赴き、スピードボートの乗船券を購入する。港までの送迎料込みで某社が催行する日帰りツアー代金の約三分の一。これだと日帰りはできないが、翌日の昼過ぎにウブドへもどれるらしい。深夜便で帰国するため、それ以上の滞在はむりだけれど、夕方までにかえれるのなら、むしろ1泊したほうがいいかもしれなかった。目的地はギリ・メノ。ロンボク島の北西部沖、わずか数キロの地点に浮かぶギリ3島(ギリ・トラワンガン、ギリ・メノ、ギリ・アイル)のうちのひとつで、どの島も徒歩で一周できるほどの面積だが、そのなかでもいちばんちいさくしずかで素朴な場所だという。そこを訪れた青年Sの旅行記をよんで、離島好きのわたしは訪問を決めた。

行き先を告げられぐぐってみた夫によれば「高床式住居みたいなホテルしかない」島だとのこと。1泊15ドルも出せばそこそこの宿でやすめると、発券所のおじさんがいっていたけれど、それがその高床式住居なのかどうかはわからない。電気は通っているものの、つかえる時間はかぎられていて、毎夜10時になると島は停電してしまう。ちなみに「ギリ」とはロンボク島の先住民ササック族の言葉で「小島」人口は3島あわせても4000人だそうだ。とにかくほぼ単語のみでじぶんの意志をつたえ、それがギリ・メノまでのチケットであることをしつこく確認し、券を手にいれた。相手の言葉は半分以上ききとれなかった……。ともあれ、早朝ドライバーが迎えにくるので、その車にのりパダンパイの港までいき、そこからスピードボートでギリ・メノへむかう。

しかし翌日、わたしはそこへたどりつけなかった。朝の8時にパダンパイをでた船は約2時間後、ロンボク島のバンサル港へつき、まもなくギリ・トラワンガン島をめざし、30分後、島のパブリックポートへ入港する。だが、その先をめざす客は皆、そこで足止めをくらってしまう。夕方にならないと、ギリ・メノにいくパブリックボートがでないというのだ。それまで待てないのなら船をチャーターしなければならないらしい。でも、提示されたチャーター代は法外な金額だ。目的地はこの島の対岸、およいでもいけそうな距離に浮かんでいる。周囲のうつくしい海をみて、ここへきてよかったとこころからおもう。船旅も心地よかった。海はおだやかで波はほとんどなく船はすべるように水上をすすんでいく。いつのまにかねむりにおち、めざめたらもうそこは島。

船酔いしやすいわたしにとっては奇跡のような航海だった。なのに、終点まであとわずかというところで、行く手を阻まれるなんて……。しかたなく、わたしはここで宿を探すことにする。はやく身軽になって、海へ入りたかった。とびこみでいくつかホテルをまわり、部屋をみせてもらって、そこそこ気に入ったら宿代の交渉をする。しかし、なかなか折り合いがつかず、小一時間ほどさまよったあげく、最初にたずねたギリ・T・リゾートへ結局はもどってきた。そこで横浜生まれの日中ハーフKさんとしりあう。Kさんはバリニーズと結婚してバリ島で暮らす日本人。イースター休暇の2週間をこのホテルですごすつもりだという。ここは夫婦が出会った、思い出の島なのだそうだ。Kさんが交渉してくれたおかげで、宿代は30万ルピア(通常は45万ルピア)になった。

島には見事なドロップオフがある。それはパブリックポートの西、数十メートルにもわたりひろがっている。先端の珊瑚礁にはスズメダイクマノミオヤビッチャミノカサゴ、ウメイロモドキ、ナンヨウハギチョウチョウウオ、リーフスティングレイ、てまえの砂地には銀色にひかる小魚の大群が舞い、斜面より沖へでれば、ギンガメアジやバラクーダの群れ、サメやタイマイにであう。透明度はそれほどでもないけれど、岸から20メートルで崖にたどりつけるのがうれしい。しばしのあいだ海遊びにふけり、そのうちシュノーケリングにも飽きて、浅瀬でやすんでいると、地元の少年が近づいてきた。みせたいものがあるというので、手をひかれるままついていくと、木でつくられたドームに珊瑚がたくさんくくりつけられている。まるで海中の秘密基地みたいだ。

それは珊瑚の養殖場だった。破壊された観光資源をとりもどすため、このような処置がとられているらしい。このへんではむかし、爆弾漁がさかんだったのだそうだ。それから岸まで競争をして、海岸でその子と別れた。日没まえになったら島の西へいこう、夕日がとてもきれいだからと、去り際にかれはいう。夕飯をたべおえてそとにでたら、ホテルのそばのちいさな商店の店先に、さきほどの少年がいる。黄色い土をふみながら西の先端までたどりつくと、そこは展望場になっていた。やがて空が紫とピンクに染まっていく。その夜みじかい停電があり、おそらくほんの数分だろうが、経験したことのない未知の闇に放り出されて、とてもこわかった。
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