読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

スイーツ&デストロイ

旅行記と備忘録

モナコ公国 宮殿・政府地区/モンテカルロ アンドラ公国 アンドラ・ラ・ベリャ

港とその周辺がモナコ、そのうえの高層ビル群はフランス、山の方はイタリアの領土

土産物屋やカフェの立ち並ぶ大公宮殿周辺の狭い路地

グレース・ケリーとレーニエ大公も結婚式を挙げたモナコ大聖堂(グレース・ケリーの墓もある)

蒸した深海魚っぽい白身魚のトマトソースかけ

アンドラの首都アンドラ・ラ・ベリャのメインストリート①

アンドラの首都アンドラ・ラ・ベリャのメインストリート②

アンドラの首都アンドラ・ラ・ベリャの一画

ヤギのチーズとトーストをのせたグリーンサラダ

 モナコは想像以上に熱海だった。海に迫る低い山地に囲まれた港、すり鉢状の地形に林立する高層ビル、海岸沿いを走る幹線道路。これまで、丘陵の裾野にひろがる港町はもちろんのこと、そこが地理的にどれほどそれとかけ離れていようと、海辺のリゾート地へいくたび、まるで熱海だと感想を述べてきた。しかし、モナコ以上に熱海をおもいおこさせる場所はない。だからなんだってはなしだが。コート・ダジュールに面した都市国家であるモナコは、世界で2番目にちいさな国だ。面積でいえば熱海市よりはるかにせまい。国土をくまなくあるきまわっても、たぶん半日はかからないだろう。夜通しカジノで遊んだり、モナコグランプリを観戦するのでない限り、数時間あれば観光には充分だ。南仏を訪れたらついでに立ち寄るくらいでちょうどいい場所だとおもう。

 地中海を望むエズ村から海岸線を目指して山を降りていくと、山道はやがて港へのなだらかな傾斜へとつながる。フランスとの国境に検問所はなく、出入国の確認は警察官の目視のみと、一見とてもゆるい。しかし、その実、都市のいたるところに監視カメラが設置されている。冬でも日本よりは幾分か温暖で、眼前に真っ青な海がひろがるこの国。街は安全で清潔で、うつくしく整えられている。そのうえタックス・ヘイヴンなので、住人は所得税も課せられない。観光地としてはすこし物足りないけれど、高額所得者が暮らすにはきっとよいところなのだろう。ちなみにここの国籍さえあれば、セキュリティの万全な高級アパートメントが安価で借りられるし、住居手当、就業斡旋、商業補助など至れり尽くせりの保護を受けられ、それだけで一生安泰だという。

 うまれる国を間違えた。豊かな国の手厚い福祉を知るほどに、半ば本気でそうおもう。今回バルセロナまではカタール航空のエアバスでやってきたのだが、その本拠地であるカタールの人々は、基本的に働かないらしい。働くのは近隣諸国から出稼ぎにやってきた外国人。かれらの保証人になることで、カタール人は収入を得るそうだ。この国もまた所得税を課せられず、医療費、電気代、電話代がただ、大学を卒業すれば10年後には土地も無料で与えられるという。さすが世界でいちばん裕福な国。ボルネオ島の端にある小国ブルネイもまた、所得税や住民税がなく、公共料金、医療費(外国で高額医療を受ける場合も含む)教育費共にただ、海外への留学も国が学費と生活費を補助してくれるとか。羨んでも仕方がないとはいえ、日本人にとっては夢のような話しだ。

 せめて医療費と教育費だけでも国が負担してくれたらとおもう。経済の安定したモナコと違い、スペインはいま財政破綻寸前で、若者の失業率も60%を超えているけれど、それでもまだなんとなくのんびりしているのは、社会保障が厚いからだ。仕事がなくてもなんとか生きていけるので、かれらはそんなに焦っていないのだという。スペインは出生地主義だから、国内で生まれた赤ん坊は、親が外国人でも自動的に国籍を取得できる。国籍があれば前述したように、手厚い社会保障を受けられる。そのため命からがらスペインに渡ってくる移民や難民は後を絶たない。かれらは中南米諸国のスペイン語圏からやってきて、渡航に成功すると子どもをたくさん産む。そうして我が子がめでたくスペイン人となれば、たとえ不法移民であっても、その親も保障の対象となるのだ。

 さて、モナコ観光だが、海を見下ろす崖の地下に掘られた、深くて巨大な駐車場からエレベーターで地上へ出ると、海にまつわるさまざまな装飾が施された、白亜の建物が現れる。これは海洋学者でもあったアルベール一世が発案したもので、世界最古の水族館ともいわれている。外観も内装も凝っていて、入り口の鉄の扉は蛸やスズメダイを模したレリーフで飾られ、館内へ入れば階段の手すりに巻貝が彫られ、各所にウニやヒドラのランプが置かれている。甲殻類や無脊椎動物の描かれた、天井画や床のモザイクタイルも素敵だし、珊瑚や海藻、磯巾着の配置など、水槽の見せ方がまたすばらしい。これは本物の海とそっくりに、生態系を再現したもので、世界でも類を見ない展示方法だ。分厚いアクリル板の大水槽はないけれど、小規模ながらもよい水族館だった。

 モナコと同様、アンドラもタックス・ヘイヴンの国だ。そのため週末になると、首都は隣国からの買い物客で賑わう。アンドラ・ラ・ベリャのメイン通りは、端から端まであるいてもたいした距離ではないが、道の両側にデパートやレストラン、小売店がひしめき、人通りも多く、活気のある街だ。国会や裁判所や留置所もここに置かれている。しばらく街を散策して、沿道のレストランで名物料理を食べた。マッシュポテトにニンジンやピーマン、キャベツが混ざった、付け合わせだかメインだかよくわからない代物だった。ここはスキーリゾート地としても有名で、山小屋風のホテルが軒をつらねる麓周辺では、板やボードを担ぐ人をよく見かける。

francesco3.hatenablog.com

francesco3.hatenablog.com

旅名人ブックス6 モナコ公国 第5版

旅名人ブックス6 モナコ公国 第5版

 
モナコ グレース・ケリーと地中海の休日 (地球の歩き方GEM STONE)

モナコ グレース・ケリーと地中海の休日 (地球の歩き方GEM STONE)

 
A08 地球の歩き方 南仏プロヴァンス 2015~2016

A08 地球の歩き方 南仏プロヴァンス 2015~2016

 
グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札 [DVD]

グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札 [DVD]

 
グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札(字幕版)