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スイーツ&デストロイ

旅行記と備忘録

スペイン バルセロナ/モンセラート

サグラダ・ファミリア内部①

サグラダ・ファミリア内部②

サグラダ・ファミリア内部③

サグラダ・ファミリア内部④

サグラダ・ファミリア内部⑤

サグラダ・ファミリア内部⑥

サグラダ・ファミリア内部⑦

サグラダ・ファミリア内部⑧

サグラダ・ファミリア「生誕のファザード」と「受難のファザード」の一部

サグラダ・ファミリア「受難のファザード」①

サグラダ・ファミリア「受難のファザード」②

港のレストランで食べたパエリア

レストラン入り口の氷のうえにならんだ海産物

グエル公園リザード

グエル公園ギリシャ広場」にあるセラミックベンチのモザイクタイル①

グエル公園ギリシャ広場」にあるセラミックベンチのモザイクタイル②

奇石の連なるモンセラート

カトリックの聖地、サンタ・マリア・モンセラート修道院付属大聖堂

 バルセロナを起点に南仏を巡る旅をした。途中、ピレネー山脈東部にあるアンドラ、そして地中海沿岸部に位置するモナコへも立ち寄り、わずかな時間だがふたつのちいさな公国を散策する。寒さが厳しい冬のヨーロッパだけれど、このへんは比較的あたたかく、場所によっては日本よりずっと過ごしやすい。とくにバルセロナは温暖で、春のはじまりを予感させる気候だった。ここを訪れる観光客のほとんどは、ガウディの建築が目当てだろうが、もちろんわたしもそうだ。サグラダ・ファミリアグエル公園、カサ・ミラ、カサ・バトリョなど、かれの手によるその面妖な作品を直に触れたかった。建築には詳しくないけれど、ガウディのそれはとても独特だ。有名な建築物の宝庫であるこの街でも、ひときわ異彩を放っている。だれともちがうし、どれにも似ていない。

 ダリがはじめて個展を開いた場所で、ピカソの通った美術学校のあり、ミロの生誕地でもあるバルセロナ。この芸術の都は、うつくしく、個性的な建築物であふれている。サグラダ・ファミリアのそばには、ガウディの師であり、ライバルといわれたドメイク・イ・ムンタネールとその息子が設計したサン・パウ病院が建ち、市内には同作家がつくった薔薇色のコンサートホール、カタルーニャ音楽堂も残っている。モデルニスモアール・ヌーボーの強い影響を受けたカタルーニャ地方の芸術様式で、19世紀末期から20世紀初頭に大流行した)全盛期にはガウディよりもずっと著名だったムンタネールのこの作品は、やはりどちらも世界遺産だ。著名な建築家の著名な建築だけでなく、市街地のなんでもないアパートやマンションさえ、ここのものはいちいち凝っている。

 鴇色や鳶色、萌黄や藤黄に塗られた壁。そこに描かれるチューリップやひな菊の柄。バルコニーを飾る、蔦や花弁を象った鉄製の囲い。柱に施されたカラフルなモザイクタイルと、天使や動植物の彫刻。複雑な曲線に縁取られた窓枠と、そこにはめ込まれたステンドグラス。そして、ここでは美麗な近代建築はもとより、不可思議な現代建築も数多くみることができる。レゴブロックで組み立てられたような集合住宅、リカルド・ボフィールのウォールデン7や、タイルで出来た巨大な弾丸みたいなジャーン・ヌーベルのトーレ・アグバル(バルセロナの水道局)真っ白な壁と透明なガラスが印象的な、現代の代表的なモダニズム建築家、リチャード・マイヤーバルセロナ現代美術館。流線型のフォルムが特徴のサンティアゴ・カラトラバによるバック・デ・ロータ橋。

 他にも世界中のアーティストが創造した建物やオブジェが街中に散らばっている。ガウディの作品は、しかし、そのなかでも際立った魅力を放つ。意外なのはサグラダ・ファミリアが、全景から受ける混沌とした感じとは異なり、近づいて細部を観察すると、いちいち可愛らしいことだ。この教会はキリストの生誕や受難、そして復活、大天使ガブリエルによるマリアへの受胎告知など、聖書に出てくる様々なシーンに彩られているが、それに加えて自然をモチーフとした装飾もそこかしこに盛り込まれている。ワニやヘビ、トカゲやイグアナ、カエルやカタツムリ、牛や馬、鳩に鶏、リクガメとウミガメ、椰子の葉、棕櫚の葉、植物の芽、椿やコスモス、オレンジ、洋梨、栗、無花果。それらの丸みを帯びたデザインと、そこに貼られたモザイクタイルの華やかな配色。

 すべてがとても愛らしかった。とくに現在の主任彫刻家、外尾悦郎の手掛けた、外壁大窓頂部の果実や、生誕の門の楽器を奏でる天使たちが気に入った。かれがこれから着手するという扉のデザインも素敵だ。青銅製のそれには一面に蔦が絡まり、アヤメや野バラが咲き誇り、そこでテントウムシやトンボが羽を休めている。葉や花のうえを芋虫が這い、木々にナナフシが身を潜める様子を、外尾は立体的に表現する。鮮やかに着色された扉は、暖かみがあり、親しみやすい。そして、写真をみてもらえばわかる通り、この教会はまた内部が素晴らしい。星形の多角形で更生された天井、樹木のように枝分かれしながら伸びる支柱。無数の窓から差し込む目映い光。宝石を散りばめたようなステンドグラス。こんなに緻密で複雑で優美で楽しい建築は今までみたことがない。

 モンセラートは、バルセロナ近郊の田園地帯にそびえる、奇石が連なる小山脈。雨風に侵食された奇妙な形状をしていて、でこぼこの山肌は陽光の反射により、白からピンクに変化する。モンセラーとは「のこぎり山」という意味らしい。でも、わたしにはそのでこぼこがバオバブの幹や蟻塚にみえた。ガウディはここでサグラダ・ファミリアの着想を得たという。それを知り、なるほどと膝を打つ。確かにあの外観はまるで蟻塚だ。また、山には多くの巡礼者が訪れる、カトリックの聖地、サンタ・マリア・モンセラート修道院と付属の大聖堂がある。この大聖堂には謎めいた黒いマリア像(彼女の皮膚がなぜ黒いのかについては諸説あり)が安置されている。

francesco3.hatenablog.com

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バルセロナのガウディ建築案内 (コロナ・ブックス)

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GAUDi ガウディが知りたい! (エクスナレッジムック)

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ガウディ―ポップアップで味わう不思議な世界 (しかけえほん)

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もっと知りたいガウディ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

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CRUISE Traveller Autumn 2015―世界の船旅画報 ガウディを探して、バルセロナ遊覧。

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アントニオ・ガウディ (SD選書 (197))

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ガウディの伝言 (光文社新書)

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ガウディ伝 - 「時代の意志」を読む (中公新書)

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ガウディ

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アントニー・ガウディー [DVD]

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