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スイーツ&デストロイ

旅行記と備忘録

べトナム ハノイ(ハロン湾)

海の桂林ともいわれるべトナムの世界自然遺産ハロン湾」の水上都市①

海の桂林ともいわれるべトナムの世界自然遺産ハロン湾」の水上都市②

海の桂林ともいわれるべトナムの世界自然遺産ハロン湾」の水上都市③

海の桂林ともいわれるべトナムの世界自然遺産ハロン湾」の奇石群①

海の桂林ともいわれるべトナムの世界自然遺産ハロン湾」の奇石群②

海の桂林ともいわれるべトナムの世界自然遺産ハロン湾」の奇石群③

海の桂林ともいわれるべトナムの世界自然遺産ハロン湾」の奇石群④

海の桂林ともいわれるべトナムの世界自然遺産ハロン湾」で水上都市を巡る小型船

海の桂林ともいわれるべトナムの世界自然遺産ハロン湾」の奇石のトンネル

 海の桂林ともいわれるべトナムの世界自然遺産ハロン湾」の鍾乳洞「ティエンクン」

  日本からカンボジアまでは直行便がなく、訪れるにはホーチミンハノイ、あるいはバンコクを経由しなければならない。だったらついでにどこかへ寄って、1泊しようとかんがえた。でもホーチミンはちょっと気がすすまない。去年はじめて赴いたものの、観光しているだけなのに、道中いろいろとしんどかったからだ。詳細は省くが、帰りの空港でも半べそだった。もう絶対にいきたくないってわけじゃないけれど、しばらくは遠慮したかった。ならばふたつにひとつだが、バンコクでタイ料理をたべるのもいいし、ジム・トンプソンのアウトレットを巡って絹製品も手に入れたい、しかし、ハノイからハロン湾へ出向いて、クルーズ船にも乗ってみたいし、名物料理のブンチャー(べトナムの肉団子)だって試したいと、さんざん迷ったすえに結局ハノイを選ぶ。

 海に浮かぶ奇石が、霧を纏う神秘的な光景、あの水墨画のような、静謐で荘厳な風景を、一度この目でみてみたかったのだ。とはいえ訪ねたのは6月で季節は初夏。世界遺産に霧がかかる様を鑑賞したいのなら完全にいく時期を間違っている。のだけれど、そのことに気づいたのは航空券を手配したあとだった。夏のはじめのハロン湾は快晴で、澄んだうつくしい青空を背景に巨石が雄々しくそびえている。冬の写真をみて想像していたそれとはぜんぜんちがうものの、それはそれで風光明媚だ。奇石のまわりには都市というか村というか、水上に暮らす人々のささやかな集落があって、浮きのついたちいさな家屋が岩に沿うように点在している。集落の港(といっても10畳ほどの板がただ浮かべてあるだけだが)で小型船に乗り換え、その周辺と近くの洞窟を巡った。

 そこには日本のNPOが建てた小学校もある。それは3畳もないような、ほんとうにこじんまりした学び舎なのだけれど、ハロン湾に住む子どもたちはそこで読み書きを習うのだ。集落を抜けると岩のトンネルがみえてきて、それをくぐれば四方を巨石に囲まれた静かな入り江にでる。船頭が貸してくれたおおきな日傘を差して波のない鏡のような水面をすすむ。その日はとても陽射しがつよく、直に日光を受けていると皮膚がじりじりと焼けていく。そこからまたべつのトンネルを通ってふたつめの入り江へ入り、海上をゆっくりと遊覧してから集落にもどった。30〜40分ほどの観光だった。小型船を降りると、港で再びクルーズ船に乗り換え、今度はティエンクン鍾乳洞へ向かう。ハロン湾には他にもいくつかの鍾乳洞があるが、そこはいちばんポピュラーなものらしい。

 奇石の一部には「闘鶏岩」や「ゴリラ岩」など、見た目が由来の名がついていて、鍾乳洞をめざす道すがらそばを通りすがれば、ガイドがそれを教えてくれる。そういわれてみるとそうみえなくもない、ような気がしないもでもない、という代物が大半だけれど、自然の造形をなにかにたとえて名前をつけたらたいがいそうだ。だいたい似てない。まもなく着く鍾乳洞でも、さまざまな形をした鍾乳石がさまざまな名で呼ばれていたが、どれも微妙すぎるネーミングだった。急勾配の石段を、のぼった果てにあるこの鍾乳洞には、自然の光が差し込む穴がひとつあって、空に向かって開いたそれは、天国につながっているのだという。そう信じられていることから、天宮(ティエンクン)と称されるようになった。確かにそこは幻想的な場所で、幽玄なその名にふさわしい。

 ティエンクン鍾乳洞が発見されたのはごく最近で、一般に公開されはじめてからまだ十数年しか経っていないそうだ(1993年に発見、1998年から公開)洞内は階段やフットライトで整備され、極彩色にライトアップされている。だから、わーきれいと一瞬はおもうし、それを口に出してみたりもするのだけれど、しかし、次の瞬間なんだかよくわからなくなって、混乱のあげく困惑してしまう。鍾乳洞というのはどこもたいていそうなのだが、赤やピンクや青や緑の灯りで鮮やかに照らされていて、華やかなのか禍々しいのかよくわからない。照明は絶対に必要だけれど、そんなにカラフルでなくてもいいんじゃないか。白とか黄色とかオレンジとか、そういう明るい単色のライトではだめなのか。きらびやかなその景観は、極楽のようで地獄ようで、どうにも不穏だ。

 ちなみにハロンは漢字で書くと下龍。かつて中国が攻めてきたとき、この入り江に龍の親子が降り立ち、軍を撃破したという。奇石は龍が吐き出した宝石で、その伝説からこの名がついたらしい。湾はクアンニン省ハロン市にあって、ハノイからはぶっちゃけ遠い。片道3時間半。ってことはつまり往復7時間。クルーズ船での観光は昼食を含めておよそ3時間なので、移動にその倍以上かかるわけだ。時間がないため半日ツアーにせざるをえなかったが、乗り合いバスでの日帰り旅行は少々きつかった。余裕があるなら船で1泊するのがいいだろう。

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