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スイーツ&デストロイ

旅行記と備忘録

鹿児島 奄美大島/加計呂麻島

ばしゃ山村近くのビーチでみた夕焼け

夕焼けと雨のカーテン①

夕焼けと雨のカーテン②

民俗村に咲くオレンジのユリ

奄美パークのショーケースに置いてあった貝製の花畑

夢紅の海老のペペロンチーノ

夢紅トマトとオリーブとタマネギスライスのサラダ

ホテルの朝食バイキング(鶏飯、島ラッキョウ、もずく酢など)

 あやまる岬①

あやまる岬②

ばしゃ山村のビーチ

民俗村のケンムン(森の精)①

民俗村のケンムン(森の精)②

奄美海洋展示館のウミガメに餌のレタスをやる女の子

奄美海洋展示館

 島をおとずれたのは台風の直後で、空にも地面にもまだ雨がのこっていた。そのせいか8月だというのに肌寒く、なんだかもう夏が終わるみたいだった。ついた日もその翌日も、晴れ間はほとんどみえず、海に入れたのがようやく空模様のおちついてきた翌々日。それまでは島にいるのに街にいるようにして過ごしていた。旅も半ばになり、やっと雲がきれて陽射しがもどると、わたしは島の南端へむかう。奄美市街のホテルをたち、原付バイクで国道58号線をひたはしり、金原原生林や黒潮の森をとおりすぎて、いくつものトンネルをぬけいくつかの峠をこえれば、およそ2時間で瀬戸内町の古仁屋港へつく。そこから町営フェリーにのり、大島海峡をまたぎ、対岸の加計呂麻島へわたる。島の港は東と西にあり、わたしが船をおりたのはスリ浜にほどちかい東の生間だ。

 単純な経路も初心者には命がけで、怯えと恐れと晴れがましさがいりまじり、たのしいのかしんどいのか道中はよくわからなかった。海岸線へでるたびに、うつくしい東シナ海がみえるのだけれど、運転がおぼつかないため横目でおそるおそるながめるしかない。でもいまは浮き立つきもちも恐怖心も、どちらもあざやかにおもいだせる。はじめてたずねる土地はいつもたのしくてしんどい。ほぼはじめてのる原付バイクもやはりたのしくてしんどかった。だからちゃんと目的地へついてひとまずほっとする。とはいえ日帰りのため時間にあまり余裕がない。ほっとしたのも束の間、港からすぐにスリ浜を目指す。しかし、最初の峠をこえようとしたら土砂崩れで通行止めになっていた。迂回して西の港がある瀬相の先までいかないと、スリ浜へはたどりつけないという。

 峠をこえられれば港から5分のスリ浜が、迂回すると1時間以上もかかってしまう。最終のフェリーは3時55分発だから往復に2時間以上かけていたら観光する時間がない。島でいちばんうつくしいといわれるスリ浜だが、今回は縁がなかったのだろう。わたしはどこか他の適当なビーチを探すことにした。幸いここは離島で、海水浴場はいたるところにある。スリ浜とは逆の方向へ原付を走らせ、ちいさな山をひとつ越え諸鈍へでると、おおきな湾に沿って集落がひろがっている。海と陸をへだてるしろくながい浜辺はデイゴ並木にふちどられ、その木陰は舗装されて散歩道になっていた。いまは青々としているけれど、梅雨のはじめには真っ赤な花が咲きみだれ、火を灯したようになるという。大木ぞろいのデイゴは80本を超え、その推定樹齢は300年といわれている。

 諸鈍の東へいけばまた海岸があるらしい。確かそこはシュノーケリングスポットのはずだ。看板をたよりにそこ「徳浜」へむかう途中、ゆるい傾斜の山道へ迷いこんだ。自爆したのはその直後だ。砂利にハンドル(タイヤ?)を取られ転倒し、わたしは車体に左足を挟まれた。ラッシュガードにビーチサンダルという軽装で、当然素足だったため、車体をおこすと、親指の先や甲の一部がえぐれている。土まみれの素足の、えぐれた赤い箇所からはなにかしろいものもみえていた。骨だろうか……一瞬うかんだ疑惑を全力で打ち消す。怪我にも事故にも慣れていなかった。軽微なものしか経験がないのだ。傷口に付着した泥や砂も気になってしかたがない。はやく処置しなければ破傷風で死んでしまう……。しかし、ビーチバッグから慌ててiPhoneを取りだすと圏外だった。

 救急車も呼べない。人通りもない。へたりこみそうになるのをこらえて応急処置(ウーロン茶で患部を洗い、フェイスタオルで足を包み、そのうえにビニル袋を巻く)をする。とにかくなにかで傷口を覆いたかった。処置を終えると、わたしはまたバイクに跨がり、ゆっくりと傾斜をおりていく。できればもう乗車したくなかったが、そのままそこへ置き去りにもできない。それからまっすぐ港にもどり、海上タクシーで古仁屋へ引き返す。島にいたのは2時間ほどだろうか。観光らしい観光もせず、怪我だけして帰ってきた。あやまる岬や土盛海岸、笠利崎の灯台や奄美パークなど、前日は北部の観光名所を巡り、夕暮れには大和村まで足を伸ばして国直海岸へもいって、すこしは運転に慣れたつもりでいたからか、気がゆるんだってか調子にのってたのかもしれない。

 患部は七針ぬった。ぬうような怪我をしたのはうまれてはじめてだ。病院で処置をするまでは、しかし、ふしぎといたみをかんじなかった。動転していたからだろうか。翌日からは島にいるのに病院通いで海に入れずつらい日々だった。総合病院の待ち合い室で本をよんでいると、美幼女がこちらの顔をのぞきこみ満面の笑みを浮かべるので、こちらも負けずに笑い返したら、最終的に微笑み返し最終決戦死闘編みたくなって頬がつかれた。

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