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スイーツ&デストロイ

旅行記と備忘録

ポーランド クラクフ/オシフィエンチム(アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所)

中欧(ドイツ/チェコ/スロバキア/オーストリア/ハンガリー/ポーランド) ポーランド(クラクフ/オシフィエンチム) 旅行 海外旅行 ヨーロッパ

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アウシュビッツ強制収容所①「働けば自由になれる」

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アウシュビッツ強制収容所

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アウシュビッツ強制収容所

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アウシュビッツ強制収容所

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ビルケナウ強制収容所

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ビルケナウ強制収容所

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クラクフのホテル「ベストウェスタンプレミエール」

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世界遺産クラクフ歴史地区

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世界遺産クラクフ歴史地区中央市場広場のクリスマス市と聖マリア教会

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世界遺産クラクフ歴史地区中央市場広場

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世界遺産クラクフ歴史地区

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世界遺産クラクフ歴史地区中央市場広場

 郊外を走るバスの車窓から外をながめていて、宿り木の他によくみかけたのは風車だった。なだらかな丘陵地のそこここに風車畑があり、天にのびるそれは羽に風を受けてゆっくりと回転している。富士重工のHPによればチェルノブイリ原発事故をきっかけに環境保護の世論がつよくなり、風力発電の導入にドイツやデンマーク、スペインやオーストリアが国をあげて突き進んだ結果だという。このへんはもともと国土が平坦で、気候風土も風車に適しているのだそうだ。山がなく、台風は来ず、一年中偏西風が吹いている。それに加え、風力発電のエネルギーを促進するための保護政策が法律化されたことも、普及に拍車をかけたらしい。先日のニュースでいわき市の海岸に風車を浮かべる計画があると知り、日本でもはやく風力発電がメジャーになればとねがう。

 ところで、旅の目的はふたつあった。クリスマス市を巡る他に、アウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所を訪ねるのだ。関心や情熱には常に後ろめたさがつきまとう。少なくとも自分はそうだ。物心ついたときにはもう、おそろしいものやおぞましいもの、むごたらしい事件や物語に、魅入られていたわたしは、いつしかジェノサイドに傾倒していき、そして、歴史的な探究心からでなく、ほとんど下世話な好奇心から、ナチスドイツのユダヤ人虐殺になみなみならぬ興味を抱く。なぜそこを目指すかといえば、あの虐殺の現場をみてみたい、というおおよそ誉められたものではない欲望。そんなどうしようもない後ろ暗さを抱えて、ホロコーストの行われた絶滅収容所へ向かう。冬だからというのもあるのだろうが、道中はとてもうら寂しく、うっすらと不気味だった。

 もっとも夕暮れの郊外はどこもそうだけれど。ポーランド語でオシフィエンチム、ドイツ語でアウシュビッツと呼ばれるその都市までは、クラクフよりバスで1時間ほどの距離だ。門のまえにおおきな白樺の木がそびえている。枝先が柳のようにながく垂れているのが西欧のそれの特徴だそうだ。夕闇に浮かぶ黒いシルエットは、不穏な空気を纏っている。といっても、日本の典型的な幽霊のイメージと相まって、なんとなくそんなふうにみえるだけなのかもしれない。ここが絶滅収容所だということもあるし、季節もやはり影響しているだろう。インターネットでみた夏のアウシュビッツは爽やかだった。晴れわたる青い空と一面にひろがる若々しい緑、咲き誇る野花。でもいまはその面影もない。あの有名な門をくぐって、赤い煉瓦の建物がつらなる敷地内にはいる。

 イヤホンでガイドの説明を聞きながら、数時間かけて内部を見学したが、感覚的にはあっという間だ。目の前の展示物に圧倒されていたからかもしれない。廊下の壁には収容者の写真が貼られており、家族で連行された人も多かったため、親子や兄弟姉妹の顔がならぶ。室内には、地下のガス室とそこにひしめく犠牲者の姿を再現したしろい模型や、有刺鉄線の奥からこちらをのぞく囚人服を着た人々の写真、毒ガスの素であるチクロンB(シラミ用の殺虫剤)の空き缶、ゲシュタポに奪われた衣服や靴やメガネ、ブラシや櫛、トランク、食器、義手義足などの残骸、刈り取られた毛髪の塊などが展示されている。むきだしの便器が置かれた仕切りのないトイレの部屋や、元所長ルドルフ・ヘスが処刑された絞首台もあった。煙突のある建物にはいるとそこはあのガス室だ。

 白い電球に照らされた窓のないコンクリートの四角い部屋は、黄色い光に満ちており、中央には花が手向けられている。その隣室には2台の焼却炉。ここで一日に350人ほどの死体が焼かれていたらしい。送られてきた収容者にはこの煙突しか出口がないといわれていたそうだ。旅行まえにチェコスロヴァキアうまれのユダヤ人マックス・アンハイマーが、収容所での強制労働の日々を綴った「アウシュビッツで起きたこと」を読んでいたので、胸に刻まれた記憶をたどり、かれの体験をなぞりながらあるく。ガイドの話しでもっとも印象的だったのは、当時リトアニアに赴任にしていた日本大使、杉原千畝氏のエピソードだ。「日本のシンドラー」とも呼ばれるかれは、外務省からの訓令に反して大量のビザを発給し、6000人ものユダヤ人避難民を亡命させたという。

 東日本大震災のときに、いちはやくイスラエル軍が駆けつけたのは、そのことでユダヤの人々が、杉原氏につよい恩義をかんじているためだそうだ。しかし、帰国後のかれは不遇で、旧外務省から徹底的に敵意をむけられ、悪意にみちた中傷に晒された。名誉が回復したのは死後15年を経てからだ。そんな杉原のことをえがいた「Sugihara:Conspiracy of Kindness」というアメリカ映画があるらしい。BS-iで放映されたようだけれど、わたしはまだ観ていない。いつか観る機会があればいいなとおもう。

 

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