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スイーツ&デストロイ

旅行記と備忘録

オーストリア ウィーン

ウィーン市庁舎まえのクリスマス市①

ウィーン市庁舎まえのクリスマス市②

クリスマス市の屋台で売られていたクリスマスのオーナメント

ウィーン市庁舎の向かいに建つブルク劇場

昼食にたべたポークシュニッツェル

オペラ座とカールス教会に挟まれたウィーン市街の通り

世界最高の歌劇場、音楽の都ウィーンのオペラ座

ウィーンバロック建築の最高峰といわれるカールス教会

ヴェルヴェデーレ宮殿(現在は美術館)

ハプスブルク家離宮であるシェーンブルンの庭園(世界遺産

市街地からだいぶはなれた民家もまばらな丘陵地帯を走っていると、ところどころに宿り木の黒いシルエットが浮かびあがる。枯れ木に実のようになった樹木の塊は、辺りの薄暗さと相まって、なんだか不吉にみえる。そういえばこれまで、わたしは宿り木を目にしたことがあっただろうか。すくなくともアジアでは、みたことがないとおもう。宿り木だけでなく、どこまでもつづくなだらかな草原や、空に突き刺さったような針葉樹林、テラコッタ色の箱庭みたいな集落、そして日没と共にひろがる都市の暗がりなども、中欧でなければ出会えなかった。こちらと比べたら、震災後でさえも、日本の都市は圧倒的にあかるい。中欧はどこも節電モードで、夜になればあたりまえに暗くなる。ベルリンやプラハ、ウィーンの繁華街など一部地域を除けばどんな都会もそうだ。

旅をしながらなあんだ電気ってそんなにいらないんじゃんと気づかされる。とはいえ、電飾をふんだんにつかった、ウィーン市庁舎まえのクリスマス市は、やはりきれいだ。街自体もそうだけれど、いちばん華やかで、優雅で、豪奢なマーケットだった。この市場は市庁舎まえの広場とそれをかこむ公園で開催されているのだが、おおきな広葉樹にカラフルな気球型の灯籠がたわわに揺れていたり、結晶をかたどった電飾の背景に光の雪がはらはらと舞っていたり、イルミネーションで覆われた城のオブジェが輝いていたり、一面に真っ赤なハートの花が咲いていたり、とにかくすべてが凝った装飾で彩られている。きらきらと音を立てて発光する、うつくしく上品なネオン。それはアジアのどこにもない繊細なもので、下品なネオン愛好家のわたしもおもわずため息が出た。

屋台にならぶオーナメントやリース、ガラス細工や工芸品、木製玩具や陶器、テキスタイルなども洗練されていて素敵だ。バウムクーヘンのチョコがけor砂糖がけみたいなお菓子や、甘そうなのも辛そうなのもある、さまざまな種類のプレッツェル、小ぶりのリンゴ飴や香ばしい焼き栗、長方形のピザ、ふかふかの揚げパン、チーズをまぶしたジャガイモ、ぱりぱりに焼いたソーセージ、チョコレートファウンテン、スパイスの効いたホットワイン(グリューワイン)にアルコール入りの温かいフルーツポンチ(プンチュ)など、食べもの飲みものも充実している。飲みもののカップは陶器製のマグで持ち帰り可能、毎年デザインが一新されるそうだ。エコを意識してか、紙コップは使われていない。これは他の都市もそうで、とくにドイツはそのへんを徹底しているという。

市庁舎の向かいに建つブルク劇場は、ウィーン生まれのクリムトが、弟のエルンストらと共に、天井画を描いたことで知られる。壁画の製作をきっかけに、かれが名声を得たのは、わずか28歳のとき。そこからクリムトの芸術家人生が始まったともいわれる。夕方に訪れると既に閉館していたので、外から眺めただけだけれど、黄色みを帯びた照明に包まれた、夜の劇場も幻想的ですてきだ。昼はオペラ座やカールス教会の周辺を散策し、スーパーで買いものをしたり、土産物屋を冷やかしたり、ウィーンミュージアムをたずねたりした。美術館はカールスプラッツ駅のならびにあり、オペラ座にもほど近い。ここでは古代の土器や鉄器、甲冑やステンドグラス、歴史資料として記録された宮廷絵画の他、近代から現代に至るまで、さまざまな時代の作品が展示されている。

先日は「Absolut Wien」と題された企画展が催され、市民の生活用品などを紹介していて、おもしろかった。なによりクリムトの「パラス・アテナ」や「エミーリエ・フレーゲの肖像」エゴン・シーレの「黒い陶器の壺のある自画像」など、有名な作品を生で鑑賞できたのがよかった。それからハプスブルグ家の離宮だったヴェルベデーレ(現在は美術館)や、シューンブルク(世界遺産)を見学。豪華絢爛な宮廷内部や広大な庭園、祝宴や儀式の様子を克明に写した巨大な絵画はもちろんのこと、旅ばかりしていて、あまりウィーンに寄り付かなかったという、自由奔放な皇后エリザベートの話しや、幼少のモーツァルトマリア・テレジアが服を贈ったエピソードが心にのこる。家族の肖像画がかざられた部屋には、幼さをのこすマリー・アントワネットの姿もあった。

わたしもまた「ベルサイユのばら」を観て育ち、歴史の授業はフランス革命の項だけ熱心だった、日本中に数多いるだろう、あの世代の女子のひとりだから、なんだか感慨深い。ちなみにあのアニメはヨーロッパでも放映されていたそうで、フランス史にのみ情熱を傾ける子はあちらでもめずらしくないようだ。
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感動の世界遺産 オーストリア 1 WHD-5129 [DVD]

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ハプスブルク家 (講談社現代新書)

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ウィーン・オーストリアを知るための57章【第2版】 (エリア・スタディーズ 19)

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